「揺れる僧りょ「かくれ念仏」」#00102004/12/16 00:00:00

Yahoo!ニュースをよく見ている。
トピックスというページには
最新のめぼしいニュースの見出しがずらりと並んでいる。
これは実際のニュースの見出しを簡潔にまとめたもので、どんな記事でも
全角13字以内になっているようだ。それはすごい。
これをまとめている人って誰なんだろう?
たいした技である。俳句とか、きっと得意なんではなかろうか。
と、感嘆する。
でも、もともとが無茶なことをしているので、たまに無理が生じる。
例えばそれが
揺れる僧りょ「かくれ念仏」である。
これを見てみなさんはどう思うだろうか。
ぼくは「お坊さんの世界も大変なんだろうな」と思った。
「かくれ念仏ってのは、きっと正統派からすると許し難い異端なんだろうな。
あるいは世紀のルートを通さないで法事をやってしまったりするのかもしれない。
いずれにしても、かくれ念仏をめぐっては激しい対立があるんだろう。
そして、かくれ念仏を推進する異端の一派と禁止する体制側の間で
揺れに揺れているんだろう。でもかくれ念仏の側からすれば
体制側の腐敗こそ許せなかったりもするんだろうな」などなど。でも実際には、これは
「かくれ念仏」として知られる師走恒例の「空也踊躍(ゆうやく)念仏」が
13日、京都市東山区の六波羅蜜寺で始った。
という年中行事のひとつのレポートに過ぎないのである。そしてその記事を読みながら「へ~」と思う。
その前に頭の中で繰り広げられた宗教界に渦巻く正統派と異端の対立は
一瞬にしてどこかに消し飛んでしまう。でもぼくの中ではそういう
「存在しなかったニュース」が少しずつ積み上げられている。
それらは、いつかどこかで何らかの形で
日の目を見るかもしれないし、そうはならないかもしれない。
その一瞬で消えた、ぼくの中だけの「存在しなかったニュース」のことが
いま、ちょっと気になる。争いに敗れて「正史」に残れなかった者達の歴史より
もっとはかない、どうでもいいようなことなのだけれど。