【お題55】おめでとう2008/01/28 07:19:08

「おめでとう」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「おめでとう」ordered by 花おり-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。




====================
◇ 学校の怪談

 おめでとうおばけの噂を耳にしたのは10月半ばのことだった。

「おめでとうおばけだって?」ぼくは吹き出しながら聞き返した。「なんだそりゃ!」
 それが、そのおばけの名前を口にする最後になろうとは、その時はまだ知らなかった。後輩の秋内は、ぼくの質問に答えて顔を引きつらせながら話し始めた。それは本当に身も凍るような話だった。話を聞き終わって、部室は静まり返り、誰も何も言おうとしなかった。ぼくは少しトイレに行きたかったのだが、何というかもう少し我慢しようかという気になっていた。

「でも」ケイコが口を開いた。みんなが救いを求めるように一斉に振り向いた。「ううん。なんでもないの」
 それっきり、また誰も口を開こうとしなくなった。本当にうちのめされていたのだ。そんな凄惨な話を聞いた後で何を口にしたらいいのか、頭が空っぽになってしまったのだ。しびれを切らしてぼくは言った。何と言ってもぼくは部長なのだ。

「で、秋内の知り合いはどうなったの」
 わざと冗談っぽくぼくは聞いてみた。秋内の返事を聞いて数人が悲鳴を上げた。ぼくもひっと息を飲んだ。少し匂いが漂い始め。尿の匂いだ。誰かが失禁したのだ。たぶんぼくではない。と思うが自信はない。ぼくが失禁したと思われたくないので頑張ってまた話を続けてみた。

「あんでそんな変なだまえだの?」ちゃんとしゃべれなかった。「何で、そんな、変な名前なの?」
「それは」と秋内は口を開いて口をつぐんだ。また数人が悲鳴を上げた。何も言っていないのに。ぼくもまたひっと息を飲んでしまったんだが。だしぬけに電気が消えた。部室だけではない。廊下も、窓の外の街灯も、ついているはずの非常灯も何もかも。

 真っ暗になった室内に悲鳴が交錯した。「落ち着け!落ち着け!」とぼくは叫びながらもうこのふくれあがる尿意をどうにも我慢できないのに気づいた。いまなら何とかなる。この暗闇に乗じれば。
 懐中電灯の光が暗闇を切り裂いた。
 サバイバルマニアの遠藤が小型のマグライトをつけたのだ。
「おう。遠藤。ナイスフォロー」ぼくはそう口にしたが、本当は殴り倒してやりたかった。でもその瞬間、突然天才的なアイデアが浮かんだ。「それ持ってさ、トイレまで肝試ししようぜ」

 どういうわけかほぼ全員が圧倒的な勢いで賛同した。結局みんなトイレに行きたかったんだ。そういうわけで部員11人がぞろぞろ連れ立って部室を出た。トイレに向かう途中の廊下でいきなり電気が元通りついて、また何人かが悲鳴を上げた。怖くて怖くてたまらない。電気がついたのに。恐怖が感染してみんなろくに口もきけない。その目を見るのがまた恐怖を増幅させる。お互い見ない振りをしていたが、何人かはもう我慢しきれず足元を濡らして始めていた。ぼくは大丈夫だ。まだ持ちこたえている。とはいえ限界だ。それに部長だ。何と言っても11人の部員を引き連れる部長だ。堂々と振る舞わなければならない。そこでぼくはすたすたとトイレに近づき、「じゃ、お先に」とドアを開いた。

 トイレの中にそれは立っていた。ぼくを待ちかねていたという表情で、ひんやりとした微笑みを浮かべ、それから祝福の言葉を口にした。

(「おめでとう」ordered by 花おり-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

【お題56】サニーサイド2008/01/28 07:24:16

「サニーサイド」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「サニーサイド」ordered by delphi-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。




====================
◇ 暗黒面通信

 ハローハロー。元気にしてるかい。
 暗黒面からのお便りだ。オールドスタイルに手紙で出すことにした。スネイル・メイルというわけだ。かたつむりってぬめぬめのろのろしてて暗黒面の生き物っぽいだろ? そっちの調子はどうだい? 相変わらずお日様をいっぱい浴びて永遠のサーファーズ・パラダイスって感じかい? 皮膚癌にならないように気をつけるんだよ。

 ところで今日こうしてスネイル・メイルを出すことにしたのは、他でもない。お知らせしておくべき話があるからだ。近況報告ってわけさ。前に会ったのは確か3カ月ほど前だったよね。そのときは中間領域でデートをした。あれはなかなか楽しかった。君は太陽の国の人らしく陽気で露出過多でセクシーで、ぼくみたいなもぐらみたいな生き物からすれば、まぶしくてじっと見ていられないくらいだった。たまの息抜きに羽目を外すには申し分のない一日だった。

 あの日のことを1日だって忘れたことはない。

 さてあれからぼくはこの暗黒面に戻って、つまり建造中の宇宙ステーションの決して日の当たらない一画に戻って、こつこつと姿勢制御装置の根幹部分の仕上げに専念してきた。これはぼくの生んだ傑作。芸術品といってもいい。他の誰にもここまで完璧な仕事はできないと思うよ。ぼくにまかせれば地球だってもっと上手に回転できるようになるんじゃないかと思うくらいだ。でもまあそれは完成したら、という話だ。残念なことにぼくは作業からはずれることになった。

 何かヘマをやらかしたって訳じゃないんだ。ある意味では大変なヘマをやらかしたんだが、決して能力が低くてチームを外されたわけじゃない。冗談じゃない。ぼくは最もすぐれた技術者の一人だ。だった。いいかい。ちょっと驚くかも知れないけどぼくはいまはもう技術者じゃないんだ。「やっぱり日本人は指先が起用だなあ!」とみんなを感嘆させてきた手先を披露することはもうない。君を歓ばせるためだけに指先のテクニックを披露することも、もうないんだ。残念ながら。

 大変なヘマというのはつまりそのことだ。重力場制御装置の回転板の研磨のために部下がしかけた設定がどうも単位を間違えていたらしいんだ。ぼくの開発した研磨装置はあまりにも鮮やかに仕事をした。何の痛みもなかったんだよ。それだけは安心して欲しい。一瞬でぼくは頭と体幹部を残して全てを失った。興味があるかも知れないから書いておくと、君が好きだったあの小器官もなくなってしまったよ。もうぼくはあの伸び縮みする小器官に悩まされることはないわけだ。

 どうか、あんまり大事に取らないでくれたまえ。ぼくは元気だ。命に別状はない。すばらしい生命維持装置によって、何ら苦痛なくやっている。QOLサポートシステムとかいう部屋に入ったおかげで、好きな食べ物を食べられるし、好きな本も読める。映画も見られるし好みの音楽にどっぷり漬かることもできる。最近は落語を片っ端から聞いたりしている。手紙だってこうして書ける。だからどうかあまり大事に取らないでいてほしい。

 たぶんもう会うことはないと思う。正直会っても何かすることもできないしね。指先も使えないし、小器官もない。抱きしめる腕も蹴飛ばし合う足もない。そんなの、何が楽しい? でもぼくはそんなに落ち込んじゃいないよ。なぜならぼくの中にはあの日があるから。君が太陽を運んできてくれたあの日の思い出があるから。暗黒面にいたって、そこ、サニーサイドの太陽を感じることができるんだよ。

(「サニーサイド」ordered by delphi-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

【お題57】スパイス2008/01/28 07:28:15

「スパイス」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「スパイス」ordered by はかせ-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。




====================
◇ スパイス

 物好きな人だねえ。こんな辺鄙なところにわざわざ訪ねてきて。あたしなんかのはなし聞いたってしょうがないだろうに。フロンティア時代の人の証言を集めてるなんて言うけどね、あたしたちは全然そんな風には思ってなかったよ。フロンティアとか英雄的な方々ってのはあたしたちより1世紀も前の人たちのことだって思ってたね。あたしたちはただの労働者だよ。え? あたしの仕事? 太陽エネルギー高効率利用システムの実証実験をね。大袈裟な名前だけど、まあ、いまとなったら誰の家にもある当たり前の設備なんだけどさ。

 何が聞きたいって? え? 旦那さん? ああ。うちのダルマのことかい? 何も話すことなんかないよ。うちのひょうろくだまは自分じゃ何にもできやしないんだから。一体全体あの役立たずの何が聞きたいんだい? どうして結婚したのかって? どうもこうもないさ。好き合ったから結婚しただけさ。なにも珍しい話じゃないだろう? そりゃ確かに、いまじゃあんなだし、あたしももうたいがい愛想尽かしてるけどね、これでも惚れ合ったときもあったのさ。

 いいんだよ。遠慮することはない。その通り、見ての通りの片輪者さ。手も足もない。興味がありそうだから教えてやるけどアレもないんだよ。何だって? ああそうさ。結婚してから事故にあったんじゃない。あんな風になっちまってから結婚したんだ。あたしもバカだね。結婚したってアレもできやしないのに。ああなる前はね、なかなかいい男だったんだ。ひょうひょうと減らず口ばっかり叩いているような男だけどね。何があったって全部冗談で笑い飛ばすようなところもあって。

 もったいなかったねえ。あんたはまだうぶな感じだからわかんないかもしんないけどね、うまかったんだよアレも。それも指先が器用でね。指だけで何回もいかされちまうくらい上手だったんだよ。わかるかい? そういうの。それが事故であんななっちまってね。おかげであたしは欲求不満の塊さ。そりゃあ浮気もするさ。浮気っていうよりストレスの処理って言った方がいいんだけどね。いいんだよ聞こえたって。かまいやしない。もうさんざんそういうことはやりあってきたんだから。

 え? あんたそんなこと、どこで聞いてきたんだい? ああその通りさ。あたしからプロポーズしたんだ。事故の後、あのひょうろくだまが「もう会うことはない」なんて言って寄越してきてさ。「バッカじゃないの!」あたしは叫んだよ。事故のことなんか全然知らなかったからさ、もう仰天だよ。その上、「もう会えない」だなんて一方的に言ってきてさ。

「バッカじゃないの? バッカじゃないの?」って叫びながら、あたしは通路をどんどん歩いていったよ。あたしの働いていたエリアから、あのダルマのいた薄暗いエリアまで行ってね。けが人を収容している部屋を見つけて、とめるスタッフを突き飛ばしてあたしは入っていったよ。そうしたらもう薬漬けでぼんやりした目であたしを見るのさ。「おやおや」って少し笑ってさ。「ぼくはもう死んじまったのかい? 天使が見える」って。

 頭と胴体しかないんだけどね、あたしは頭をペシペシ張ってやったよ。「何、勝手に決めてんだよ!」ッてね。それで手も足もない胴体を抱きしめて言ってやったんだ。「あたしも勝手に決めるから! 結婚するんだから!」ってね。いま思えばあたしもバカだねえ。あんたも気をつけた方がいいよ。勢いだけで結婚なんかしちゃロクなことないから。

 何だって? 口が悪いって? 口が悪いんじゃないよ。正直なだけさ。土地の連中もこの店のこと「スパイスハウス」なんて言ってるらしいけどね。え? 「激辛スパイスハウス」って言われたって? あっはっはっは。それであんたなかなかたどり着けなかったんだ。あっはっはっは。ほんとは「サニーサイドハウス」なんだけどね。どういう意味かって? まんまだよ。日の当たる場所ってことだ。この星はろくに日も当たらないからね。せめて店の名前くらい明るくしなくちゃ。あんなのかかえて女手ひとつでやってくんだ。名前くらい景気良くいかなくっちゃね。

 何を頼りに頑張れたかって? 別にこれといってないけどね。ま、お客さんがついてくれたからかな。うん。あいつらこそ口が悪いけど、まあいい常連さんだよ。何? お守りがあるかって? そうだねえ。お守りみたいなものならあるよ。うん、これだ。おっと触っちゃいけないよ。大事なものだからね。ああ。ボロボロだろう? でもまあこれがお守りだ。何かって? なんてったっけな。ナメクジがどうしたとかこうしたとか。ああ違う違う。スネイル・メイルっていうのさ。ま、あんたみたいな若い子にはわかんないだろうけどさ。

(「スパイス」ordered by はかせ-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

【お題58】名刺2008/01/28 07:34:29

「名刺」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「名刺」ordered by sachiko-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。




====================
◇ 誰の名刺?

 その女から電話がかかってきたのは午前1時を回った頃だった。名前を聞いても誰だかわからなかったし、声にも聞き覚えがなかった。知らない女から真夜中に電話を受ける。そこには二つの相反する感情が呼び起こされる。ひょっとすると現実離れしたロマンスのようなものが自分の人生に訪れるのではなかろうかという淡い期待。うっかりした受け答えをすると完全にいかれたストーカータイプにこの先、半永久的につきまとわれるのではなかろうかという恐怖。

 冷静に考えれば「間違い電話です」とでも言ってすぐに切ればよかったのだが、そうすることはできなかった。ひとつには相手がこちらの事務所の名前を知っていたからだ。つまりそれは間違い電話ではなかったのだ。もうひとつには上に書いたような期待と恐怖で、理性的な判断力を失っていたせいもある。

「では、あなたはぼくを知っているんですか?」
「いいえ」と女は答える。悪びれるでもなく、淡々と、やや固い声で。「あなたが誰かわかりません」
「どういうことかな」何をどう聞けばいいのか迷ってぼくは口ごもる。「じゃあどうしてぼくの名前を」
「名刺を見ながらかけているからです」
「名刺?」なるほど。名前と電話番号がわかる。「じゃあやっぱりどこかで」
「いいえ。直接いただいた名刺ではないんです」
「はあ」またなんだか頼りない感じになってきた。これはクイズか何かなのか? わかるように説明してくれよ。あ。そう言えばいいんだ。「すみませんが、わかるように説明してくれませんか」
「わからないから電話しているんです」
「わからないって」

 聞くとこういうことだった。彼女が今夜仕事から家に戻ってきて、ふと気づくとリビングルームのテーブルの上にぼくの名刺があったというのだ。
「どうしてそんなところに」
「それを知りたくて電話しているんです」
「そんなこと言われても……あ!」
 思いついた。そうだ。それに決まっている。
「何ですか」
 初めて彼女の声が少し勢いづいた。
「ご家族のどなたか、お父さんかお母さんかご兄弟かがぼくとご一緒したことがあるのでは」
 少し間があいた。誰も何もしゃべっていないのにがっかりしたような空気が流れるのを感じた。
「一人暮らしなんです」
「え。いやでも、例えば誰かが訪ねてきたとか。あ!」
 また思いついた。
「え? 何ですか?」
 彼女の声がまたはずんだ。
「ご家族とか、彼氏とか、出入りする人は」
「いません」
 また声が冷たくなって、きっぱり否定された。彼女に彼氏がいないことまでわかってしまったが、わかったからといってどう活かすこともできなさそうな知識だ。
「電気やガスの点検とか、大家さんとか」思いつくままにいろいろ言ってみた。「でなければ泥棒とか」
「やめてください!」ものすごく強い調子で拒絶された。「やめてください! 無責任なこと言うの!」
 かちんときた。
「ちょっと待って。夜中の1時に電話してきて何ですかそれは」
「だって、泥棒とかだったら、いまもまだここにいるかもしれないってことじゃないですか!」

 え? あ、そうか。

「それは困る」
「こっちはもっと困ります!」
「あなたが無事がどうか心配になってきた」
「心配してください」
「わかりました。いやでもどうやって? あなたが誰か知らないし、電話番号も知らない」
「え。それは」
 厄介なものだ。それはそうだ。今度は電話の相手の男、つまりぼくがストーカーになるかも知れない。一人暮らしの女性はそういうことを心配しなくてはならないわけだ。でももしこのまま電話を切ってしまうと、ぼくはぼくでこの先ずっと「あの女は無事だったろうか」と心配し続けなくてはならなくなる。
「そうだ。せめてこの電話の間に部屋の安全確認だけでもしてみたらどうですか」
 そう提案したのと同時に女はフルネームで名乗った。
「え?」名前を復唱してぼくは言った。「あなたの名刺、持ってます」

 2日ほど前に覚えのない名刺をベッドサイドテーブルの上に見つけて不思議に思っていたのだ。立ち上がって財布を手に取り、しまっていた名刺を取りだし、名前と会社名と電話番号を読み上げる。しばしの沈黙の後彼女が言う。
「それ、わたしです。でもそれは前の会社の名刺です」
「前の会社」
「転職したんです。もう5年になります」
 5年以上前の彼女の名刺がぼくのベッドサイドに?
「失礼ですが酔って記憶をなくすことってあります?」
「いいえ!」失礼な、と言わんばかりの返事。「お酒、飲めませんから」
「ぼくはしょっちゅうなんです。だから知らない人の名刺があってもそんなに驚かないんですが」そこまで言ってぼくは気づく。「でもお互いに名刺を持っているってことと、リビングに名刺があるってのは、話が別ですね。そっちはまだ解決していない」
「こわい」
「うーん」彼女の名刺を見ながらぼくは考える。そして一つの仮説にたどり着く。けれど今度は「あ!」とは言わない。なぜならそれはあまりに悲しい仮説だからだ。
「本当にお会いしたこと、ありませんかね」
「ごめんなさい。お会いしたようには思えないの」
「最近何かの治療をうけたことは?」
「治療? いいえ。あ!」
 彼女が何かを思いついたらしい。
「どうしました?」
 しばしの間の後、ぷつり、と電話は切れた。ぼくはツーツーツーという音を聞きながら、財布の中のもう1枚の名刺を手に取る。誰から貰ったのかわからないもう1枚の名刺。それは聞いたことのない催眠療法士の名刺だ。

(「名刺」ordered by sachiko-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)