【お題45】お題2008/01/10 09:37:51

「お題」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「お題」ordered by tara-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。




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◇ Live and let die

お題ちょうだい冬ダイダイ
やりたい放題三兄弟
縁台の演台で遠大な演題
どんなもんだい青葉台
話題集める日本医大

三大テノール声、雄大
「当代きって」はやや誇大
酒代払えず実験台
荷台にくくられバカ一代
お代は先代が戻り次第

現代アートと無限大
名代の大御所立つ指揮台
エサ代よこせと言う番台
代々伝わるその鏡台
所場代がわりの式次第

高台で出すゴミ粗大
ジェダイが抱える重い課題
過大な期待にI wanna die
「そんなのやだい」と逃げる世代
菩提も試してみるヘアダイ

多大な犠牲を払う古代
真鯛の魚拓は等身大
駿台予備校もただ踏み台
例題に出るグーリンダイ
本題見えずに終わる次第

(「お題」ordered by tara-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

【お題43】ポストイット2008/01/09 07:18:19

「ポストイット」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「ポストイット」ordered by sachiko-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。




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◇ 幸を呼ぶ魔法のキット

さあ貼ろうポストイット
宇宙にさわれそうに晴れわたるこの青空に
後悔の念はちょびっと
世界一高い山のてっぺんでふく大ボラに

これは気に入った場所につけるブックマーク
大好きな君と出かけた場所にくまなく
大志を抱けと少年にいったのはクラーク
ぼくらの前には禁断の地さえも柵があく

さあ貼ろうポストイット
大地の恵み育ちあふれるこの野良に
気づいてくれるさ、あいつもきっと
何でもない風景を彩る祠(ほこら)に

何度でも訪れたい場所にブックマーク
病めるからだと心を癒す湯が沸く
笑いと歓声が絶えずわき起こるパーク
ぼくらの心と心が触れスパーク

さあ貼ろうポストイット
フラットなくせにとてもソリッド
共に歩む陽気なホビット
果てなき冒険にも時にコミット

さあ貼ろうポストイット
愉快なだけじゃない、時にはドキッと
幸を呼ぶ魔法のキット
無限の歓喜の単位はわずかキロビット

(「ポストイット」ordered by sachiko-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

【お題36】七草粥2008/01/01 01:57:20

「七草粥」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「七草粥」ordered by 花おり-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。



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◇ 無名戦士に贈る

世界が、たとえ今日終わりを迎えるとしても
猟師はやはり狩りに出かけるだろうし
ナースはやはり病人の世話をするだろう
ずり落ちかけた夜空の月も
鳴り渡る鐘の音の前に立ちすくむだろう

強引な言葉遊びにうつつを抜かすものは
行頭の文字を連ねなにがしかの意味を見いだそうとする
妖精の粉を振りかけられ空を飛べるようになるものなら
うつつは夢となり無意味さえも形を持つだろう
敗走する兵士にしてやれるせめてもの贈り物
凍えるからだを温め、凍える心を包み込む
ベランダで育てた7つの草を摘み添えてやろう
楽にしてやることはできないけれども

炎はまだ燃えているか、心の中で
時計は止まらず動いているか
計算などできなくたってかまわない
飲み食い息をすることさえできればそれでいい
雑草呼ばわりされるものたちが聖なる糧となるように

好きなだけ、さあ食べるがいい
頭痛を少しやわらげてやれるかも知れない
情けない世の中にも少しは救いがある
好きなだけ、さあ七草の粥を
ずり落ちかけた夜空の月に照らされ
シーツに血を流し横たわるお前は、お前こそが
ろくでもない世の中で真に生きるに値する者なのだから

(「七草粥」ordered by 花おり-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

【お題10】廃墟2007/12/06 00:33:16

「廃墟」と言う言葉がどこかに出てくる作品をお待ちしています。
タイトルに限らず、本文中のどこかに1回出てくればOKです。

作品の最後に
(「廃墟」ordered by delphi-san/text by あなたのペンネーム)
とつけてください。これはお題を出した人への礼儀と言うことで。



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◇ 舞台写真

 今朝、確かに彼女と目があった。
 間違いなく目があった。
 そう思いながら目をさまし、
 しばらく動悸が止まらない。
 子どものころから同じ夢を見ている。
 場面も違う、展開も違う。でも主題は常に同じ。

 どうして廃墟の写真ばかり撮るのかとよく聞かれる。廃墟を訪ねるのが好きなのか。イエス。廃墟なら古代のものでも近年の工場跡地でも何でもいいのか。ほぼイエス。他の主題より廃墟の方が魅力的なのか。部分的にイエス。いまは廃墟を撮ること以外考えられない。先輩などからはやめた方がいいと諭されることもある。それはありふれた題材だ。アマチュアが好んで取り上げるものであって、そこに突っ込んでいっても大した実りがあるとは思えない、深めようがない、などなど。

 でもそういうことじゃないんだな。
 子どものころから繰り返し見る夢がその答だ。
 テーマが深まるかどうかなど問題ではない。

 いまのところ写真に人物は登場しない。
 けれど、どの写真も本当は
 そこに人物がいるべきなのだと思いながら撮っている。
 夢に出てくる裸身の女性。
 長い夢の終わり頃に現れる女性。
 彼女は廃墟の中にたたずんでいる、いつも。
 いろいろな土地の、
 いろいろな廃墟に。

 写真を撮り始めてから何度か、
 ここは彼女がいた場所だと確信した場所がある。
 写真に彼女はいない。でもそこは彼女がいた場所なのだ。
 一度だけモデルを頼んで廃墟に立たせたことがある。
 でもそれはファインダーを覗いた瞬間から違うとわかった。
 だからモデルが入る前に撮った写真が、
 その廃墟での作品となった。

 夢の中の彼女はいつでも必ず同じポーズでたたずんでいる。
 昔は背中しか見えなかったのが、
 少しずつ角度を変え、最近ではほとんど正面を向いている。
 目があったと感じるほどに。
 間もなく会えるはずだ。
 本当に会えるはずだ。
 だからそれまでは誰もいない廃墟の写真を撮る。
 ほんの少し前まで彼女がいたはずの廃墟の写真を撮り続ける。
 登場人物が去った舞台だけの写真を。

(「廃墟」ordered by delphi-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)